近年、販売機そのものが「データを活かす営業ツール」として進化を遂げています。中でも注目されているのが、AIやIoTを活用した“スマート自動販売機”です。
遠隔での在庫管理や属性に応じた商品訴求、非接触でのキャッシュレス決済など、単なる「無人販売」から一歩進んだ利便性と戦略性を兼ね備えた次世代型モデルが各地で導入されています。今回は、IoT自販機を活用した注目の事例をご紹介します。
IoT自販機で新たな雇用と購買体験を創出!
障がい者就労支援と販促を両立した事例
画像引用元:Osaka Metro公式HP(https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20221117_iot_jihanki.php)
Osaka Metroは、なんばウォークやあべのキューズモールで展開する高機能IoT自動販売機事業の一部運営を、障がい者の雇用促進を目的として大阪メトログループ内の新会社「大阪メトロビジネスアソシエイト株式会社」に委託。梱包・商品補充といった業務を障がい者が担当することで、誰もが活躍できる職場環境の整備を推進しています。
あべのキューズモールでは、2022年11月17日〜2023年2月28日までの期間限定で、「銭湯のススメWEST」企画のオリジナルグッズを販売するIoT自販機を1階吹き抜け横に設置。販売状況に応じてBEAMS JAPANの商品に切り替える柔軟な運営も実施されました。施設利用者の目を引くデジタル演出と限定グッズの組み合わせにより、高い話題性と来訪動機の創出を実現しています。
InHand Networksが開発したAI自販機!
環境センシングと遠隔管理で高効率運用
画像引用元:InHand Networks公式HP(https://www.inhand.com/ja/cases/ai-smart-vending-machine-deployment/)
IoT通信とAIによる制御技術を強みとするInHand Networksでは、屋外環境でも高耐久性を備えたAI自販機を展開中です。最大の特長は、エッジコンピューティングによる画像認識と、気温・湿度センサーによる環境モニタリング。これにより商品の保存環境やユーザー行動を常時最適化し、売上や在庫管理の自動化を実現します。
さらに、通信モジュール「IG902シリーズ」により複数拠点の自販機を遠隔一括管理。オペレーションコストの削減だけでなく、稼働状況のリアルタイム可視化も可能にしています。導入後は平均で30%以上の人件費削減と、商品補充の最適化による廃棄ロス低減が確認されました。
偶発的な出会いを創出!
IoT文具自販機で文房具の魅力を体感
画像引用元:PR EDGE(https://predge.jp/267300/)
コクヨ株式会社は、羽田エアポートガーデン内に開業した直営店「KOKUYODOORS」にて、IoTを活用した次世代型の文具自販機を設置。2023年1月より実証実験をスタートさせ、第1弾として7種類の文具を販売しています。
このIoT自販機では、文具の「使い心地」や「機能性」といった魅力をより深く伝えるための設計がなされており、従来の目的買いとは異なる“偶然の出会い”を創出する場として注目されています。さらに、ユーザーの購買データを収集・分析する仕組みにより、今後の商品開発や店舗運営にも生かすことが期待されています。
IoT技術を搭載した自動販売機は、従来の「置いて売るだけ」の自販機とは一線を画します。商品ごとの販売データ、利用者の購買傾向、在庫残量などをリアルタイムで把握できるため、オペレーションの効率化と売上アップの両立が可能です。
これにより、どの商品が・いつ・どこで・どのようなユーザーに買われているかといった“見えなかった情報”を可視化できるようになります。売れ筋の補充タイミングを自動化することで、人件費や廃棄ロスを削減しつつ、常に最適な品揃えを維持できる点も大きな魅力です。
また、クラウド連携により、複数拠点の自販機を一元管理できるため、企業やチェーン店舗などでも高い導入効果が見込めます。現場に人がいなくても、AIとIoTによる“スマート販売”が利益を生む——それが、次世代の自販機ビジネスです。
IoT対応自動販売機の魅力は、単なる商品販売にとどまりません。顔認識や属性分析を通じてパーソナライズされた商品表示や広告配信が可能になったことで、「購入体験そのものが楽しい」というユーザーの声が広がりつつあります。
特に注目されているのが、タッチパネル式のインターフェースや、話しかけてくるAIアシスタント、動くLED演出など、エンタメ要素を備えた“体験型”のスマート自販機です。見た目のインパクトや先進性は、SNS映えにも直結し、「映える自販機」「話題の自販機」として自然と拡散されるケースも少なくありません。
さらに、キャッシュレス決済との相性も抜群。若年層の利用が増え、設置場所次第では“行列ができる自販機”になることも。こうした背景から、IoT自販機は「販促×ブランディング×利便性」の三拍子が揃った、新時代の集客ツールとして注目を集めています。
人件費の必要がない自販機は、低コストで運営でき、限られたスペースを有効に活用し、24時間稼働できるのが大きな魅力です。スペースと時間を活かすことで、ビジネスの収益性を高めることが期待できます。ここでは、物販オーナーにおすすめの自販機設置業者3社の特徴と強みを紹介します。
プロのデザイナーが専属でつき、店舗や商品に合わせてオリジナルでデザイン。目を引くデザインでメディアに取り上げられた事例もあり、SNSでもシェアされやすく認知向上が見込めます。新たな顧客の獲得で売上アップも期待できるでしょう。
高さ1,830mm・幅1,030mm・奥行703mmのコンパクトな自販機を提供しており、限られたスペースにも設置が可能。効率的にスペースを活用することで、収益機会損失の低減が目指せます。
ホテルやオフィスなど屋内環境での実績を多数もち、施設内で自販機を有効活用できる方法を提案。駅構内といった限られた場所への設置も可能です。駅ナカで利用しやすいキャッシュレスにも対応し、手軽に利用できる環境を整えています。